語りはじめまで、しばし……

平清盛に見る栄枯盛衰の理

平家は、桓武天皇の血を引く武士の一族でした。

貴族が栄華をきわめていたこの時代、その華やかさの裏で、武士たちは静かに力をつけはじめていました。

清盛は、その平氏を率いる忠盛の子として生まれます。

海賊を鎮め、宋との貿易で富を築いた父のもとで、都の華やかさと西国の海、その両方を知りながら育ちました。

平家は瀬戸内海の海運を押さえ、宋との貿易で莫大な富を築きます。

強い武力と、豊かな財力。

そして朝廷や上皇との深いつながり。

世を動かすだけの力が、こうして少しずつ蓄えられていきました。

保元の乱、平治の乱。

二つの戦いに勝った清盛は、武力だけで世を動かしていきます。

ただの武士から、ついには太政大臣へ。

ここまで昇りつめた武士は、はじめてでした。

娘は天皇のきさきとなり、その子は幼くして天皇の位に就きます。

一族は国じゅうの半分を治め、平家の栄華はこのとき、頂点をむかえました。

平家にあらずんば、
人にあらず。

昇りつめた一族への反感は、少しずつ世の中に広がっていきます。

清盛は法皇を閉じこめ、思うままに政治を動かしました。

人々の心は、しだいに平家から離れていきます。

そして清盛は、高熱にうなされながら世を去ります。

支えを失った一族は、都を捨てて西へと逃げのびていきました。

おごれる人も久しからず、
ただ春の夜の夢のごとし。

源氏、挙兵

平家の専横に、各地の源氏が立ち上がります。

以仁王の「平家を討て」という命をきっかけに、伊豆の頼朝、木曽の義仲……。

討伐の兵が、いっせいに挙がりました。

一ノ谷

源義経は、鵯越の険しい崖を馬で一気に駆け下ります。

不意をつかれた平家は総崩れになり、海へと逃げていきました。

屋島

平家の船にかかげられた、扇の的。

那須与一の放った矢は、夕風に揺れるその的を見事に射抜きました。

壇ノ浦

そして壇ノ浦。

潮の流れが変わるとともに、あれほど栄えた平家も、ついに終わりのときをむかえます。

波の下にも、都のさぶらふぞ。

幼い安徳天皇を抱いた二位の尼は、そう言い残して海へ身を投じました。

三種の神器とともに、平家一門はすべて海の底へ沈んでいきます。

沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。

おごれる人も久しからず、
ひとへに風の前の塵に同じ。

平清盛に見る栄枯盛衰の理

※ 本ページはスクロール演出のデモです。
挿画は水墨風に生成した素材を用いています。